《2》 妖精のお医者さん 13 - ナイショの妖精さん1
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《2》 妖精のお医者さん 13

  11, 2018 21:13
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 ……まぶしい。


 あたしはそっと目を開けた。

 ほっぺたを熱くしていた太陽の光が、わっと目の中に飛び込んでくる。


 ……お、終わった……?


 どこかで、ピーヒョロロロって、トンビが鳴いてる。

 まばたきをくり返しながら、あたしは胸を起こした。


「……え?」


 重みを感じて、お腹の上を見たら、太い右腕がのっかってた。

 まくらにしてた丸太みたいなものも、よく見たら、だれかの左腕。


 な、な、なにっ !?


「う、うわっ !?」


 パッとまくらの腕がなくなったと思ったら、中条があたしから身をそらして、上半身を持ちあげてた。

 顔、耳まで真っ赤っ赤。


「な、な、な、なにすんだっ!? 」

「し、知らないよっ!!  それはあたしのセリフだもんっ!」

 ヤダもう、どうなっちゃってんのっ !?
 これじゃ、あたしが、中条の腕まくらで寝てたみたいじゃんっ!


 中条、「はぁ~」とか頭を抱えちゃってる。


「お……おそるべし、洗礼……」


 フンだ。中条のことを好きな女子じゃなくて、残念だったね!


 あたし、よいしょって立ちあがって、パンパン、スカートについた芝をはらった。

 Tシャツからのびる腕を見たら、銀色のチカチカなんて、どこにもついてない。
 いつものふつうの、あたしの腕。


 顔をあげると、中条も自分の手足を見おろしていた。

 琥珀色の目がふっと動いて、あたしを見る。


「ためしてみるか? 妖精治療。オレたちが、本当にフェアリー・ドクターになったかどうかテストだ」






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