
「ウソっ! 中条君て、こんな本、読んでるのっ!? 」
見たら、リンちゃんが、ゆかに落ちた本を拾いあげてた。
ネコみたいな上がり目が、キラッキラに輝いてる。
……ほぇ?
「英文書じゃないっ! さすがはハーフ。中条君って、英語でも、バリバリ読めちゃうんだ~っ!! 」
「まぁな。包容力のあるオトコは、頭のレベルもちがうからな」
ヨウちゃんてば、メガネ越しに、誠をチラチラ。
な~んだ。本まで「ダテ」だったんだ。
ヨウちゃんってハーフだけど、生まれも育ちも日本だから、頭の中身は日本人。英文を読むときは、単語ごとに分厚い辞書と、にらめっこ。
こないだなんて、一行読むのに、四十分もかかってたんだから!
それでも、誠にはきいたみたい。
ため息をついて、鈴をポケットにつっこんでる。
「よ~し、わたしも勉強がんばろ~。少しでも、中条君の頭のレベルに追いつけるように。そしたら、中条君も、そこのアホっ子なんか、まったく興味がなくなって、あっという間に、わたしにのりかえちゃうんだからっ!」
リンちゃんの猫目がふり返ったと思ったら、ギロッとにらまれる。
ひゃっ。
だけど、リンちゃんはすぐに、つんってツインテールを舞わせて、自分の席にもどっていった。
そうしてまた、参考書を開いた。
次のページに進む
前のページへ戻る
コミカライズ版もあります!!

【漫画シーモア】綾ちゃんはナイショの妖精さん

【漫画kindle】綾ちゃんはナイショの妖精さん
【漫画動画1巻1話】

にほんブログ村

児童文学ランキング
スポンサーサイト