《2》 もうひとつのカップル4 - ナイショの妖精さん4
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《2》 もうひとつのカップル4

  28, 2021 21:03
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「ウソっ! 中条君て、こんな本、読んでるのっ!? 」


 見たら、リンちゃんが、ゆかに落ちた本を拾いあげてた。


 ネコみたいな上がり目が、キラッキラに輝いてる。


 ……ほぇ?


「英文書じゃないっ! さすがはハーフ。中条君って、英語でも、バリバリ読めちゃうんだ~っ!! 」


「まぁな。包容力のあるオトコは、頭のレベルもちがうからな」


 ヨウちゃんてば、メガネ越しに、誠をチラチラ。


 な~んだ。本まで「ダテ」だったんだ。


 ヨウちゃんってハーフだけど、生まれも育ちも日本だから、頭の中身は日本人。英文を読むときは、単語ごとに分厚い辞書と、にらめっこ。

 こないだなんて、一行読むのに、四十分もかかってたんだから!


 それでも、誠にはきいたみたい。

 ため息をついて、鈴をポケットにつっこんでる。


「よ~し、わたしも勉強がんばろ~。少しでも、中条君の頭のレベルに追いつけるように。そしたら、中条君も、そこのアホっ子なんか、まったく興味がなくなって、あっという間に、わたしにのりかえちゃうんだからっ!」


 リンちゃんの猫目がふり返ったと思ったら、ギロッとにらまれる。


 ひゃっ。


 だけど、リンちゃんはすぐに、つんってツインテールを舞わせて、自分の席にもどっていった。

 そうしてまた、参考書を開いた。





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